☆衣装☆
下着も着替えてもらう。『俳優の日常生活が染み込んだものを脱ぎ捨てて、役の上での服を肌につけることから役作りが始まる。』
新品のワイシャツを一度クリーニング出してから着せるのが当たり前だ。
☆小道具☆
2日がかりの撮影で、どうしてもうまくやらなければならないのが、 前日の食卓の再現だ! 一日の撮影で終ると同時にテーブルの上などを角度を変えて10枚ばかり写真に撮る。コップに残るビールの量、皿のイモの転がり具合、刺し身の色合い。それらの、写真を参考に翌日撮影開始までに、新しい食べ物で前日の状態を復元する。
☆シナリオ☆
どこで (場所) 環境
何を (事件) 行為
誰が (人物)性格
なぜ (原因)理由
いつ (時) 経過
本当の監督になる為には、シナリオが書けなければならない。
映画を作る手始めはまず、シナリオを作ってそのシナリオをどういう役者でどういう所で、どう撮ったらそのシナリオのイメージがもっと膨らむかやってみる。
俳優にくせをつけて個性を出す。
作品の主題も、人物の性格も一目で見てすぐ理解出来るような単純なほうが良い。
いいシナリオがあって、いい監督がそれを映画化した場合これは傑作が 出来る。
平凡な才能の監督でも、いいシナリオなら,ある程度の作品が出来る。 しかしシナリオが悪かった場合、いい監督でも絶対にいい作品は出来ない。
☆セリフ☆
1.事実を知らせる。
2.登場人物の心理感情を表す。
3.ストーリーを進展させる。
※条件
@ストーリーの進展、方向を持つ。
A話し言葉であること。
B魅力ある言葉。
C簡単明瞭、短いこと。
Dひとつのセリフの要点はひとつ。
E書き手の演出として、絵があること。
※進化
@段取りセリフ 聞いてから返事というパターン
A説明セリフ 芝居の中に溶かし込む。人物の性格、背景、その時の気持ちを
掘り下げた表現を探す、発見する。
Bひねりのセリフ
※セリフの注意・自己点検・確認すべきこと
@ひとつのセリフにはひとつの目的
Aセリフのテーマは言葉尻にあると思え!
Bセリフは話の進行方向に沿って
Cセリフは観客に向けて話している。 客にわかっているセリフは省略できる。
D作者のひとり見込みに最注意 要するに人間らしいセリフが出るかが問題だ!
☆クローズアップの生かし方☆
@事件の発展のきっかけを与える紹介法。
A場面転換と時間の経過をしめす役割。
B動作を省略する意味で、極めて効果的に暗示を与える役割。
C手とか足とか顔の細かい動きによっての心理描写の表現。
D一場面のテーマあるいは主なねらいを一ショットに集中する表現。
→青年の全身、次に背広服の上着のバッジの大写しといった配置なら、 『彼は国会議員である』という意味になり、さらに背広服の上着のバッチの大写しに続いて青年の全身といった配置なら『国会議員である彼は』という意味になる。
☆紹介と事件のきっかけ☆
映画のファーストシーンなどで、ある特殊な対象物(看板・ポスターなど) のクローズアップを出して、その後に表現される事件や人物の情景を紹し
事件のきっかけを与える用法です。
例えば、『A校の入学式』といった学校の入り口などにある立看板、あるい はポスターをクローズアップして、総会の展開されるきっかけを与える役割を
はたします。
☆画面展開と時間の経過を示す用法☆
田舎道から都会へ、玄関から応接間へ、送別会の日取り打ち合わせから送別会当日へ、といった場合にクローズアップを入れます。
まず、前方の田舎道を走って来る観光バスが画面(フレーム)一杯になると、次のショットは都会の繁華街の風景に展開するとか、訪問客が玄関でコートを脱いでいるショットからコーヒーカップのクローズアップとなり、ズームバックして、フルショットとなり、お客と家の人が一緒に応接間でコーヒーを飲みながら対談している画面、あるいは、送別会の日取りや招待客選定の打ち合わせショットから、ビールの泡立つコップのクローズアップとなり、ズームバックして送別会の全景へと画面が転換するといったシーンに活用されます。これらは、巧みな画面転換でしかも時間を省略する技法だ。
☆暗示の役割☆
映画は省略の芸術ともいわれていますが、アクションを省略してある事件を極めて効果的にしかも印象を強める用法です。
例えば、学校帰りの少年のグループが川のほとりで突然けんかを始め、相手の一人を川へ投げ込むといったシーンで、次に川の中に帽子が浮かんで流れているところをクローズアップで表現します。
このように、少年の姿を暗示するといった場合に活用すると効果的です。
また、ホテルの一室で恋人同士が再会し、思わず抱き合うといったショットの次に床の上に静かに落ちる手袋、マフラーなどのクローズアップを見せ、直接に二人のアクションを表現せずに印象的に暗示をなげかけます。
☆心理描写の役割☆
この場合はなにも顔の表情のみでなく、手とか足、顔の細かな動作をクローズアップして心理的表現を行います。
心理描写のクローズアップはサイレント映画でもトーキーでも活用され、サウンドがついてますます綿密なニュアンスを与えますので大変効果的です。
例えば、音楽劇を見ている観客が非常に優れた歌声に魅せられ、手に持っているプログラムを落としてしまい、その落とす手のクローズアップが観客の顔に続き歌声はずっと聞こえてクライマックス的表現を与えるといった用法です。
また、ある家の法要などで長い間お経の声を聞いてるうちに座っている足が痺れを切らし、その足先の様子をビック、クローズアップで表現するとか様々な心理的表現に役立ちます。
☆シーンのテーマを表現☆
この用法は、1シーンの主調子を表しシーンをリードする強い役割を持っている。例えば、医科大学入試である農村出身の学生がその合格発表の当日学校の掲示板の前で合格者の名前が次々と張り出されつつある中で、自分の名前は見当たらず悔しさのあまり、藁を口に噛みながら眺めるといった1シーンの中の口だけのクローズアップです。
心理表現の効果もありますが、農村の藁を口に噛むといったリズムに強い影響を持っている。
☆ズーミングの機能☆
ズームアップとは全景から特定の被写体を紹介するとか、強調するために用いられます。
ズームバックとは主体の紹介、強調からその環境、状況、雰囲気などの説明へと連続して変化します。
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